桜田一洋さん=本人提供

 病気を起こす原因を探り、その仕組みをターゲットにして治療法を開発することは医学研究の王道だ。だが、ヒトは多様で、病気の進行のしかたはばらばら。薬の効果も個人によって違う。病気が進行してから、元の状態に戻すこともむずかしい。

 また開発された難病の治療法は、非常に高価なものになりがちで、医療費の増大につながる懸念がある。医療費が財政・経済を圧迫して、誰でも平等に治療を受けられる制度を維持できなくなるおそれがある。

 そこで慶応大の桜田一洋教授(医療情報学)がめざしたのが「予測の医学」。病気が見つかってから治療するのではなく、未来を予測して、発病や悪化を防ぐ方法を探る。

 さまざまな現象を高い精度で…

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